ま堂

□ 2章開始〜終了まで
<プロヒビットアース>

	魔王城へと続く道は、巨大な氷によってふさがれている。
    「巨大な氷が道をふさいでいる……」
ソラ  「よしっ! ここは ぼくにまかせてよ!」
	ソラの力によって、氷がなくなり魔王城へと進むことができるように。
ソラ  「さぁ、行こう!」

<魔王城 エントランス>

    「〜魔王城・案内〜
	闇の世界の王、魔王が治める城
	巨大な城壁と 大勢の兵士に守られた城は、威厳と信頼の共存によって 繁栄している
	女王の部屋には、心や体に傷を負った者たちが、
	やさしき女王に守られて 暮らしている」

	魔王城へ入ると、兵士が気付いて近づいてくる。
    「む! おまえたち 何者だ!
	魔王さまからの許可がない者は この先へは 入れぬこととなっている!」
デッサイト「よく見てよ ぼくだよ、ぼく!」
    「は? ……そういえば 見覚えのある マヌケ顔……
	はっ!! こ、これは 王子さま!!
	し、失礼いたしました……!!」
デッサイト「……失礼しちゃうよ マジで…… もぅ……」
    「魔王さまも、女王さまも、大変 心配なさっておられました!
	さ、おとおりください!」
どるさん「本当ニ キサマ…… 魔王ノ息子ダッタノカ……」
デッサイト「だから そう言ってるじゃないかぁ〜」

	女王の部屋に行くと、鎧をつけた女性とぶつかりそうになる。
ソキラナ「うわぁ! なに! ちょっと! だから!
	ジャマなの…… どいてもらえる?」
デッサイト「あ〜〜っ! ソキラナぁ〜〜!」
ソキラナ「え…… あ! お兄さま!」
どるさん「……オ ……オニィシャマ……?!!」
デッサイト「あ、そだ、紹介するね〜
	彼女は、ぼくのいもうとで ソキラナっていうんだ」
ソキラナ「ちょっと…… かってに紹介しないでよ」
デッサイト「ソキラナ、こっちはLっていってね」
ソキラナ「そんなことより、お兄さま!!
	いままで どこほっつき歩いてたの?!」
デッサイト「え? あの〜
	ぼく、光の世界に迷いこんじゃっ」
ソキラナ「だまって城を出ちゃいけないって
	何度もお母さまに 言われたじゃないの!」
デッサイト「そ、そんなつもりは」
ソキラナ「おまけに 見ず知らずの あやしいやつらまで つれこんじゃって!」
デッサイト「ちがうんだよ、ソキラ」
ソキラナ「お父さまの苦労のひとつも わかってあげたらどうなのっ?!」
デッサイト「ぼ、ぼくの話も 聞いてよ〜」
ソキラナ「さぁ、さっさと お母さまにあやまりに行きなさい!」
デッサイト「ソキラナは どこに行こうとしてたの?」
ソキラナ「訓練場だよ!
	わたしはお兄さまとちがって 毎日 ちゃ〜んと 剣の腕を磨いてるのよ!」
どるさん「ソリャ スゴイナ!
	デッサイトヨリ コイツヲ ツレテッタホウガ イインジャナイカ?」
デッサイト「そりゃないよ、どるさん〜」
ソキラナ「と・に・か・くっ!
	お兄さまは お母さまのところへ行って
	わたしは 訓練場へ行くの
	わかった?」
	さっさと去っていくソキラナ。
どるさん「ウ〜ン…… ツヨイ……」

デッサイト「ママ〜! ただいま〜!」
女王  「デッサイト! まぁ…… 心配してたのですよ どこへ行ってたのです?」
デッサイト「ん、いろいろね」
女王  「そのかたたちは?」
デッサイト「ママにいままでのこと 話してもいいかな……」
ソラ  「かまわないよ、ぼくは」
どるさん「ウム……」

女王  「そう…… 悪神ジバを……」
デッサイト「ねぇ、ママはパパが ダーク・ジアロだったって知ってたの?」
女王  「ええ…… けれど、最初から知っていた わけではありません
	デッサイト……
	あなたが生まれて 間もないころだったかしら
	わたしと、兵士隊長のハイ、側近のロヴの3人だけに
	かれは すべてを話してくれました……
	自分が、もとは 闇の神であったことを……」
どるさん「モトハ? デハ、今ノ魔王ハ 神デハナイトイウノカ?」
女王  「ええ、そういうことになっています
	主人は 神である身を捨て “王”という形で この世界を治めています」
ソラ  「なぜ魔王が、いや ダーク・ジアロが 神である身を捨てたのか ぼくにも わからないんだ
	もちろん、神であったころのチカラは 継承されているけれど……
	それでも、あきらかに 神であったころのほうが チカラを持っていたのに……
	それに……」
デッサイト「それに?」
ソラ  「あ、ううん! なんでもない!」
ソラ  (……L
	……とても デッサイトと 女王のまえでは言えないけど……
	ダーク・ジアロは神でなくなった……
	つまり、寿命もすぐに つきてしまうんだよ
	神だって不死身じゃないけど
	太陽が滅びないかぎりは 寿命では 死なないんだ
	でも、魔王は……)
女王  「主人はこうも話してくれました
	今後、ジバとの戦いが 激化するであろうと……
	世界になんらかの影響が 出るかもしれない、と」
デッサイト「なんでパパは ジバのことをみんなに話さないの?
	兵士を集めて 攻撃すればいいじゃないか!」
女王  「この城にいる 勇敢な兵士たちをもってしても
	ジバのチカラには とてもかないません
	そのうえ主人は 兵士やほかの人々に
	ジバの存在と、その戦いを知られたくないようです
	理由は詳しく話してくれません……
	ただ、「巻き込みたくないのだ」、とだけ……」
デッサイト「そんなの、へんだよ……」
女王  「あなたが、主人の姉君ともいえる
	光の神……サン・ドゥーラさまですね」
ソラ  「はい、女王
	でもいまは、ソラと呼んでください」
女王  「教えていただきたいのです……
	主人はいったい、なにを考えているのか……」
ソラ  「残念ながら、神でなくなったあとの かれのことは ぼくもよく知らないんです
	でも、かれは ジバとの決着をつけようとしている
	それだけは はっきりしてる
	ただ、たったひとりでね」
デッサイト「安心してよ、ママ! Lたちが一緒に戦ってくれるよ!」
女王  「……そうね……」
デッサイト「ママ……どうしたの?」
女王  「あなたたちは お強いようだけれど もう おそすぎたかもしれません
	ジバを倒すため…… 主人は旅立ってしまいました
	……光の世界へ」
どるさん「ナニ?! ジャア ジバハサンシャインアースニ イルノカ?!」
女王  「いいえ そうではありません
	いまのチカラでは とてもジバにかなわぬと悟った主人は
	助力を求めて 光の世界へ 向かったのです
	たった ひとりで……」
ソラ  「助力とは?」
女王  「くわしいことは、なにも……
	ですが、主人が向かったのは セイントシュラインという場所だと聞きました」
どるさん「南ニアル アノ教会ダナ!」
ソラ  「そうか、もしかしたら魔王は 天空城をさがしているのかも……」
デッサイト「なんだい、それ」
ソラ  「光の神が住んでいた お城だよ
	だけど ジバに襲撃されて いまは 廃墟に……」
女王  「それは 一部にすぎません
	天空城は 光の世界から この闇の世界に 移されただけにすぎません
	いまも、この世界で 天空にそびえ立っています」
どるさん「デハ、コノ城カラ 北ニアッタ アレガ?!」
女王  「そうです
	天空城こそ 悪神ジバの居城なのです!」
ソラ  「魔王をさがそう
	とにかく そうするしかなさそうだ……」
女王  「あなたも行くの、デッサイト……」
デッサイト「うん パパを助けてあげなくちゃ!」
女王  「フフ…… すこし前までは、城から出ては すぐ泣いて帰ってきたのに……
	勇ましくなったのね デッサイト……」
デッサイト「でへへ〜!」
どるさん(ソウトハ 思エンガナ……)

<セイントシュライン>

	以前に来たときとはちがい、ひっそりとしている無人の教会。
デッサイト「まだ パパは来てないみたいだね」
ソラ  「それにしたって おそいんじゃない?
	なにか あったのかな……」
どるさん「……ヒキカエスカ」
魔王  「うぐあぁぁーーー!!」
	教会の中に、魔王が飛ばされてくる。
デッサイト「パパ!!!」
	魔王の後ろから、キューヴァイアが悠然とやってくる。
キューヴァイア「ホッホッホ……
	魔王とあろうものが これしきで くたばるのですか?」
デッサイト「あ! あいつ、このまえ ここで戦った オカマ……」
キューヴァイア「まぁ 人間のチカラとは こんなものですよね
	あなたが神であったなら 少しは ちがったでしょうが?」
魔王  「ぐぐ……」
キューヴァイア「そろそろ おわりにしましょうか」
魔王  「お、おまえたちは 逃げていろ…… 巻きこまれるぞ……!」
デッサイト「パパ! ぼくだよ、デッサイトだよ!」
魔王  「デッサイト?! どうしてここに……!
	と、とにかく はやく逃げ――」
キューヴァイア「これは なんと都合のよいことか!
	魔王の息子と…… 守護者 L……
	そして 光の守り神ではないか!
	ジャマな芽は はやく つんでおかねばねぇ……
	さっさと ここで 消してしまいますか」
魔王  「く! そうはさせぬ!」
キューヴァイア「どけ!」
	いとも簡単に吹っ飛ぶ魔王。
デッサイト「パ、パパ〜!」
キューヴァイア「安心しろ、魔王……
	おまえは 生かしたまま つれてくるようにと
	ジバさまからの ご命令だ
	……まぁ ジバさまのもとへ着いた その後はどうなるか
	わからないがな……クク……
	さぁ! 勇敢なる 光の戦士たち…… 本気で勝負といたそう!」
魔王  「よせ! キューヴァイアは 不死身だ……!」
キューヴァイア「もう おそいわ!」
	戦闘:キューヴァイア
	キューヴァイアにまるで歯が立たず、やられてしまうLたち。
魔王  「デ……デッサイト……!!」

<光の道>

……ル
……L……

ソラ  「L!!
	だいじょうぶ?
	どうやら 魔王が助けてくれたみたいだ
	……でも 魔王は どうなったのか……」
デッサイト「いててて…… ?!
	ココハドコ?!!
	ナンカ サッキイタ教会ト似テルケド チガウヨネ?!!
	異次元空間ニ ワープシタノッ?!!」
ソラ  「……どるさんじゃ ないんだから……
	ここは闇の世界の セイント・シュラインだよ
	光の世界のセイントシュラインと 闇の世界のここは
	「光のみち」というもので つながれているんだ
	不思議森のようにね
	これで 不思議森の門を通らなくても 両世界を 行き来できるようになるよ」
デッサイト「最初から なんで こっちを通らなかったの?」
ソラ  「太陽のチカラが弱まってるときに 光のみちが できるわけないだろ!」
デッサイト「どならないでぇ〜
	……とにかく 助かったんだね!
	でも パパは?」
	周囲を見渡すが、魔王の姿はない。
デッサイト「……パパ……」
	ふと、自分の手元を見るデッサイト。
デッサイト「……あれ?」
ソラ  「どうかした?」
デッサイト「ぼく、いつの間にか なにか持ってる……
	これ、なにかな??
	長方形の……シール、みたいだけど」
ソラ  「う〜ん…… ぼくにもよくわからないな
	きっと 魔王がきみに たくしたものだよ!」
デッサイト「でも なんなのかわからなきゃ 意味ないよ!
	そうだ! ママに聞いてみようよ! なにか知ってるかも……
	……そのまえに どるさんを目ぇ覚まさせてあげようよ」

どるさん「ン……ン? アア、L…… ココハ?」
デッサイト「だいじょうぶ? どるさん
	顔どころか 体まで まっさおだよ」
どるさん「ナニ!!」
	自分の体を確かめるどるさん。肌の色が以前の青い色に戻っている。
どるさん「コ、コレハ……」
デッサイト「え、どっか イタイの?」
どるさん「……ナンデモナイ
	急グゾ! ハヤク ジバヲ倒サネバナラン!」
デッサイト「な〜に 張り切っちゃってんだか」

<魔王城 女王の部屋>

	女王の部屋に行くと、女王のそばにビーサァ町長そっくりの男がいる。
どるさん「ム! ビーサァ町長デハナイカ!」
デッサイト「ちがうよ、どるさん!
	このじーさんは パパの側仕えの ロヴだよ!」
ロヴ  「じーさんではありません! オジサンです!
	それに側仕えではありません! 側近です!」
デッサイト「大して かわんないじゃん!」
ロヴ  「変わりますっ!!!」
どるさん「ソレニシテモ ビーサァ町長ニ ソックリダナ!」
デッサイト「ロヴはビーサァさんと 双子なんだよ!」
ロヴ  「デッサイトさま……
	本人の許可ナシに あれこれ個人情報を教えるのは よくないことです」
デッサイト「でも、Lたちは」
ロヴ  「仲がよいからといって 許されはしません!
	今日の友は明日の敵です!」
女王  「あら お友だちがたくさんいることは よいことですよ」
ロヴ  「女王さま! それだからデッサイトさまは
	いつまでたっても 甘ったれで 頼りない 小心者なのです!!」
デッサイト「……(くやしいけど正しい)」
ロヴ  「ところで 女王さまから 話をうかがったのですが
	魔王さまに 会うことはできたのですか?」
デッサイト「会うには会えたけど……
	……困ったことになって……」
ロヴ  「……そうですか」
デッサイト「そうだ、パパから このシールみたいなのを もらったんだけど……」
ロヴ  「ぬ?! 魔王さまが、これを?!」
デッサイト「これ、なんだか知ってるの?」
ロヴ  「これは “封印のシール”と呼ばれるものです
	これを はっつければ どのような者でも
	闇の奥深く……冥界に封じてしまうという おふだです」
ソラ  「……冥界に……?」
女王  「主人は、これでジバを……
	もしくは不死身のキューヴァイアを?」
ロヴ  「ええ、封印しようとしたのでしょう」
デッサイト「じゃあ、これを使って あのオカマを倒せるんだね!
	よしっ! L、行こう!」
ソラ  「待ってよ! ジバは空に浮かんでるお城に いるんだよ?
	どうやって行くつもりさ?」
ロヴ  「そういえば、魔王さまが昔 空飛ぶ巨大な竜を 飼っていたことがあります
	近頃はめっきり 姿を見ていませんが……
	デッサイトさまなら 手なずけられるでしょうし、
	さがせばどこかに いるかもしれませんよ」
デッサイト「ふ〜ん パパもけっこう変な動物 飼ってるんだね〜」
ソラ  「竜はペットにするような 動物じゃないと思うけど……」
どるさん(オレモ ペットニナルノカ??)

<プロヒビットアース>

	フィールド上にて、カターサを見かける。
デッサイト「あ!」
カターサ「い!」
デッサイト「どろぼ――――ぉぉぉ!!!!!」
カターサ「何でも屋だってばっ!!」
どるさん「知リ合イカ?」
デッサイト「コイツが お日様の卵を うばった犯人なんだよ!
	えーと、カタ…… カタ…… カタコッタ!!」
カターサ「……わざとらしく まちがえやがって
	ところで アンタら何しに来たの?」
デッサイト「それはコッチのセリフだよ」
カターサ「わたしは お仕事しとるに きゃーっとんでしょーが!
	♪ヘイホーっ! ヘイホーっ!
	しっごーとがっ すっきー!!」
デッサイト「また アヤシイ仕事してるんだな?」
カターサ「残念でした!
	今回の お仕事は「橋をかける」って そりゃもう青少年にも無害で健全!
	なんでも 向こうにいる デッカイ鳥に会わせてほしい やつがいるんだって!」
ソラ  「デッカイ鳥? ……それきっと、飛竜のことだよ」
デッサイト「会わせてほしいやつがいるって……
	いったい ダレに頼まれたんだ?」
カターサ「依頼主サマを打ち明けるなんざー できませんねぇ」
デッサイト「じゃあその「会わせてほしいやつ」って?」
カターサ「それがねぇ……
	聞くまえに 依頼主サマがどっか行っちゃってさ!
	わかんないんだよね!」
デッサイト「まぁいいや ぼくらを通してくれる?」
カターサ「べーだ! べーーだ!!
	だぁれが キサマらなんかにっ!!」
デッサイト「デッカイ鳥に 会わなきゃなんないんだよ!」
カターサ「ふん! ワガママなヤツらめ!
	オ シ オ キ しちゃるぞ――!!」
	戦闘:カターサ
カターサ「うぬぬぬぬぬ……」
デッサイト「さぁ そこをどけよ!」
カターサ「ぢ、ぢくしょーぅ!! 覚えてやがれっ!」

デッサイト「見つけた! これが飛竜だね!」
ソラ  「うわぁ〜…… 本当に大丈夫なの?」
デッサイト「大丈夫だよ!
	パパが飼ってたっていうんだから……」
	呼応するように、竜が甲高く鳴く。
デッサイト「そうだ! 名前つけてあげようよ!
	う〜んとね…… リュウオなんてどうかな?」
ソラ  「なにそれ? ネーミングセンスないね〜」
デッサイト「じゃあ ソラオ」
ソラ  「ちょっとっ!! ぼくのカオ見て言ったでしょ?!
	ヒトの名前使うのヤめてよ!
	ねぇ、L! どう思う?」
◆選択肢の表示:リュウオがいいとおもう/ソラオがいいとおもう/どれもよくない
:[リュウオがいいとおもう]の場合
デッサイト「ほら! ぼくが考えた名前も 捨てたモンじゃないだろっ!」
ソラ  「う〜ん…… Lがそう言うんだったら……」
:[ソラオがいいとおもう]の場合
ソラ  「ガーン……」
:[どれもよくない]の場合
デッサイト「なんだよ、Lまで〜 じゃあ、Lが考えてよっ!」
	竜の名前を自由につけることができる。
ソラ  「ふ〜ん……○○○○、ねぇ」
:分岐終了
デッサイト「よ〜し! 決まりっ! きみの名前は○○○○だよ!」
	気に入ったのか、ひときわ甲高く鳴く竜。
デッサイト「さぁ 行こう!」

<天空城>

    「〜天空城・案内〜
	天空に浮かぶ城――
	それは かつて 光の神サン・ドゥーラが住んでいた 城であった
	城は 光の神が消失すると同時に 闇の世界へと移動した
	かつての光の輝きは 今や 失われてしまった」

	飛竜に乗り、天空城へと乗り込むLたち。
	ところどころ床に穴が開いており、まともに進むのもままならない。
	宝箱の中から、縄を発見するL。
    「ナワを手に入れた ……何かの役にたつだろう」
デッサイト「な、なに?!」
ソラ  「この部屋、だいぶもろく なっているんだ!
	どこかが崩れたみたいだ 足元に気をつけてね!」

	穴の開いた箇所に縄を張り、上の階を目指す。
	最上階の部屋は毒沼と暗闇におおわれ、無数のたいまつが
	高い祭壇の上にいるキューヴァイアとジバの姿を照らしている。
ソラ  「L、見える?! あの上にいるヤツ……
	あいつが 悪神ジバだ!」
デッサイト「……子供??」
ソラ  「あなどっちゃいけないよ!
	あいつは闇の化身…… ゆえに はっきりした姿を 持っていないんだ」
ジバ  「そういうことだ それが いみすることがわかるか? しゅごしゃよ」
キューヴァイア「それで? ここへ なにしにいらっしゃったのです?
	まさか わたしらを倒そうなどと ムダなことをしに来たのではないでしょうね」
デッサイト「その まさかだ!」
キューヴァイア「ホーッホッホッ……!
	身のほど知らずも いいところよ!」
ジバ  「ちょうどいい、きゅーばいあ あいつにやらせよう」
キューヴァイア「かしこまりました……」
	キューヴァイアが指を鳴らすと、Lたちの前にうつろな表情をした魔王が現れる。
デッサイト「パパ!」
魔王  「・・・・・。」
デッサイト「パパ?! ……どうしたの?!」
魔王  「・・・・・。」
キューヴァイア「フフフ……まだわからないのか?
	コイツはすでに われらの支配下にある
	今や ジバさまの言いなりなんだよ!」
デッサイト「そんな……」
キューヴァイア「さぁ やっておしまい、魔王!
	光の神や自分の息子を その手で殺すのだ!」
デッサイト「や……やめてェ パパぁ!!」
	戦闘:魔王
デッサイト「どうしよう……
	パパに攻撃なんて できないよ〜!」
	恐怖の異常状態になるデッサイト。
	Lたちは魔王を倒す。
    「魔王を保護した」
キューヴァイア「く…… せっかくの楽しみを……
	忌々しいヤツらめ! こうしてくれる!」
	襲い掛かってくるキューヴァイア。それをどるさんが羽交い絞めにして止める。
キューヴァイア「ぐっ?!」
デッサイト「ど、どるさん?!」
キューヴァイア「は、はなせっ! この……!」
どるさん「ヤツハ 不死身ダ!
	オレガオサエテイル間ニ アノ シールヲ使ウンダ!」
デッサイト「そ、そんなことしたら、どるさんまで……!」
どるさん「……イイカ……
	オレノ体ノ色ガ 青色ニナッテイルコトハ 以前ニモアッタダロ?
	コノ色ハ…… 呪ワレタ シルシダ!」
デッサイト「な、なに 言ってんのさ…… 呪いは とけたんでしょ?」
どるさん「トケタノデハナイ 弱マッタダケダ
	呪イノチカラガ弱マリ…… 体ノ自由ガキクノハ ホンノ 一時期ダケダ
	次ニ マタ 固マッテシマッタラ
	イツ 動ケルヨウニナルカ ワカラナイ……
	マァ 一種ノ 病気ミタイナモノダナ
	再ビ 石ノヨウニ固マッテ 呪イノチカラガ 弱マルノヲ 待ッテイルヨリ
	ココデ コイツヲ シトメラレタホウガ ズットイイ!」
ソラ  「そんなの おかしいよ!
	いっしょに行こう! ジバを倒せば、呪いもとけるはずだ!」
どるさん「ジバヲ倒スヨリ先ニ コイツニ ヤラレルガオチダ!
	コイツハ ココデ シトメテオカネバ ナラナイノダ!」
キューヴァイア「おのれぇぇ!!」
どるさん「何シテル! サッサト シールヲ使エッツッテンダロ!!」
デッサイト「で、できないよ……!」
どるさん「デキナイハズ ナイダロウ
	オマエタチナラ デキルハズダ
	サァ!!」
	戦闘:キューヴァイア
キューヴァイア「おのれ…… 守り神ふぜいが ナメたことを!」
	キューヴァイアは束縛状態となっており、身動きが取れない。
	封印のシールを使用するL。
	地面から無数の触手が生え、キューヴァイアを捕らえる。
キューヴァイア「ン?
	な…… なにをした?! うぐぁぁ
	か からだが……
	ぐあぁぁァぁぁぁぁ」
	地響きと共に、闇に吸い込まれていくキューヴァイア。
	同時に、どるさんも姿を消していく。一瞬、どるさんがこちらを振り向く。
	キューヴァイアとどるさんが消え去ると、いつの間にかジバもいなくなっていた。
	あたりがしんと静まり返る。
デッサイト「ど・・・ どるさん・・・?」

<魔王城 女王の部屋>

女王  「デッサイト! おかえりなさい 無事でよかったわ……」
	女王の前に魔王を差し出すL。
女王  「あなた!」
デッサイト「ジバたちに あやつられてたみたいなんだ」
女王  「傷だらけではありませんか! こんな、ひどい……」
デッサイト(それは ぼくらのせいだけどね)
女王  「あら? あの 赤いドラゴンさんは どうなさったの?」
	暗い表情に染まるLたち。
女王  「……そうでしたか
	ジバはまだ 生きているのですね」
ソラ  「どこへ行ったかも わからない
	頼れる戦士も…… ひとり いなくなってしまった」
女王  「とにかく 今夜はここで お休みなさい
	長い戦いで お疲れでしょうから」
ソラ  「そうさせてもらおうか、L……」

	魔王城のバルコニーで、涼んでいるL。
	そこへソラが寄ってくる。
ソラ  「どうしたんだい、L ぼーっとしちゃってさ
	そりゃ 悲しいのは ぼくも同じだよ
	かれは 光の守り神…… 光の神にとっても とても 心強い仲間だった
	でも かれの死を ムダにしないためにも 今度こそジバを倒さなきゃね
	見てよ 太陽が浮かんでる」
	ソラの姿が、サン・ドゥーラのものになる。
サン・ドゥーラ「あの太陽は わたしたちに チカラをあたえてくれる
	そして光を……
	けれど、太陽は だれの味方をするわけでもなく だれと敵対するわけでもない
	どうしてかしら? なぜ太陽は わたしたちを生み出し 育てているのかしら
	……本当に 不思議な存在ね
	覚えてるはずもないよね
	あなたが 卵の守護者となったときのこと
	あれは 今と同じく 寒い風が吹くときだった
	太陽のチカラが弱まって 世界が ひとつとなっていた
	そのとき 光と闇のちょうど境目に L……あなたが誕生した
	わたしとジアロは困ったものよ
	あなたが光の者か 闇の者か わからないんですもの
	けれど それには 理由があったのかもね
	あなたは 光と闇の世界を 自由に行き来できる 特殊な存在
	光と闇の 両世界を導く――リード(Lead)する者
	だから名前が「L」なのよ!
	でも…… わたしが ジバに倒されたことで 事態が一変した
	ジアロは神である身を捨て わたしは 卵になった
	あなたは “卵を守る者”になってしまった
	そして 今は 世界の命運を賭けた ジバとの戦いを……
	どうしてあなたが そんな役を背負うはめになってしまったのかしら
	ずっと わるいと思っていたの
	つらい思いをさせて ごめんなさい……
	わたしとジアロだけで 決着をつけるべきだったのに……
	Lやデッサイトに 戦う義務はないわ
	あなたはもう 光の世界へ帰ってもいいのよ
	これ以上、役目にしばりつけるわけには……」
デッサイト「そんなの 逆に無責任だよ」
	Lとサン・ドゥーラの元に、デッサイトがやって来る。
デッサイト「ここまで来て 帰れだって?
	ジバを倒すだけなのにさ!」
サン・ドゥーラ「倒すだけ?
	そんな かんたんに 済まされることではないわ」
デッサイト「そうかな ぼくには おいしいところだけ
	ひとりじめってな感じに聞こえるけどな」
サン・ドゥーラ「なにを 言いますか!」
デッサイト「だったら どうして始めから Lに頼んだりしたのさ!
	「卵をさがせ」だの 「ドロボウをつかまえろ」だの 「弟を助けて」だの……
	それで 最後だけは わたしたちがやりますって?
	じゃあ ぼくらがやってきたのって なんだったのさ!
	ぼくらは雑用? 下ごしらえに利用されただけなの?!
	それこそ どるさんは…… なんのために……
	光の神だろうが 闇の神だろうが 役目だとかなんだとか そんなの関係ない!
	ぼくは ジバを倒したい それだけだよ!
	役目も使命も運命も…… だれが決めるものじゃない
	決めるのは自分だって
	ぼくは パパに そう教えられてきたんだ」
サン・ドゥーラ「…………。
	ジアロが、そんなことを……?
	…………。」
デッサイト「行こう、L」
サン・ドゥーラ「待って!
	わたしも いっしょに行くわ……
	L…… デッサイト……!」
	城の中へ戻ろうとするデッサイト。
	が、そのデッサイトをハイが跳ね飛ばす。
デッサイト「どへぇ!!」
ハイ  「デッサイトさま! ぶっ飛んでる場合じゃありませんよっ!」
デッサイト「ハイがぶっ飛ばしたんじゃないかぁ〜
	せっかくの シリアスシーンが……」
ハイ  「すぐにいらっしゃってください!
	魔王さまの様子が おかしいんです!」
デッサイト「……え? パパが……?!」

<魔王城 謁見の間>

女王  「……あなた 返事をしてください
	どうされたのです? なにがあったのですか」
ロヴ  「ごらんのとおり……
	女王さまやわたしたちが いくら声をかけても お返事なさらないのです
	視線は どこか遠くを見つめたまま なんの反応もありません
	……まるで 魂がないかのように」
デッサイト「天空城にいたときもそうだった
	ぼくが いくら叫んでも、パパは無言のままだった……
	パパは どうなっちゃったの?」
ロヴ  「わたしにも よく……」
ソラ  「ジバにあやつられているときは
	なにか 黒いものが まとわりついていたけど……
ロヴ  「黒いもの、と?」
ソラ  「うん 影のような、もやのような……」
ハイ  「ロヴ、なにか分かったのか?」
ロヴ  「いや…… もしかしたら、と思ってな
	太陽のカギをお持ちでしたよね
	ちょっと お借りしてもよろしいですか?」
◆選択肢の表示:どうぞ/いやだっぺ 
:[どうぞ]の場合
:[いやだっぺ]の場合
デッサイト「L〜〜〜〜〜!!!
	Lは ぼくのパパが どうなってもいいって言うのっ!!」
 ◆選択肢の表示:そうだよん/冗談っす
 :[そうだよん]の場合
デッサイト「ひどいよひどいよひどいよ!!!
 	Lはそんなヤツだったのぉ?!!!
	びょぇ――――――!!!」
ハイ  「……Lさん
	いちおう 言わせていただきますが ここは魔王城です
	デッサイトさまは これでも王子なんです
	王子さまを泣かせる者には われら兵士は 容赦しません
	おわかりで?」
L   「…………。」
 :[冗談っす]の場合
 :分岐終了
:分岐終了
ロヴ  「ありがとうございます
	では おあずかりしますね」
	ロヴが魔王に太陽のカギを近づけると、魔王から黒いもやが一瞬噴出す。
ソラ  「あ! 今のだよ、黒いもやってやつ!」
ロヴ  「なるほど……
	まずは カギをお返しします」
デッサイト「なにか わかったの?」
ロヴ  「はい…… だいたいのことは」
デッサイト「じゃあ 教えてよ!」
ロヴ  「……魔王さまは 邪悪な闇に とらわれているようです
	魔王さまの魂は…… ここには ありません」
デッサイト「た、タマシイがない? どういうこと?」
ロヴ  「覚えておられるでしょうか、わたしが 封印のシールについて 説明申し上げたこと……
	どのような者でも、闇の奥深く―― 冥界へと封じてしまう、と
	魔王さまの魂も その冥界に とらわれているのです」
ソラ  「冥界に?! そんなはずないよ!
	冥界は 死者のたどりつく 暗黒の世界だ!
	魔王が…… 闇の神が、太陽のチカラを持つ彼が そんなところへなんて!」
ロヴ  「ソラどの、魔王さまは もう神では あられないのです!」
ソラ  「……ああ…… そう、だったね……」
デッサイト「どうすれば パパを助けられるの?」
ロヴ  「ムリなのです、デッサイトさま……
	助けることなど、できません」
デッサイト「そんな! どうして!
	パパをこのままにしておけないよ!」
ロヴ  「ですが、冥界に 行くことはできないのです
	わたしだって 魔王さまを 救いたい気持ちで いっぱいです
	しかし…… あきらめるしか……」
デッサイト「あきらめられないよ!」
ロヴ  「デッサイトさま! わたしたちにはとても―― できないのです!」
ソキラナ「できるわ」
	凛とした声が響き、ソキラナが謁見の間へと入ってくる。
ハイ  「ソキラナさま!」
ソキラナ「わたし、知ってるんだから!
	お父さまは 冥界へ行ったことがあるの
	冥界で ジバに苦しめられていたひとたちを 助けだしてきたのよ
	お兄さまたちも見たでしょ?
	お母さまの部屋にいた あの 白いオバケみたいな人たち
	かれらが 冥界にいた ひとたちなのよ!
	だから わたしたちだって お父さまを助け出すことぐらい できるわ!」
ロヴ  「ソキラナさま
	それは魔王さまだから できたことであって
	わたしたちのような 特別なチカラのないものには とても……」
ソキラナ「なによ!
	魔王さまだから、魔王さまだからって!
	あなたたち、お父さまがいなけりゃ なにもできないの?!
	……だから お父さまは いつもひとりで戦ってるんだわ
	あなたたちが 頼りないから!
	で、お兄さまはどうなの?」
デッサイト「え、ど、どうって?」
ソキラナ「お父さまを助けたいの?! 助けたくないの?!」
デッサイト「助けたいに決まってるじゃないか!」
ソキラナ「じゃあ、行きましょ! 冥界へ!」
デッサイト「行けるの?!」
ソキラナ「あたりまえでしょ! さ、行くわよ!」
ハイ  「危険すぎます、ソキラナさま!
	冥界には なにがあるのか わからないんですよ?
	おそろしい敵も いるかもしれないのに!」
ソキラナ「ハイ……
	わたしの剣の腕は あなたにきたえてもらったのよ?
	そのあなたが そんな弱気なこと言って どうするの!」
ハイ  「ではせめて、わたしも ご一緒に!」
ソキラナ「だめよ
	あなたには この城を守っていて もらわなくちゃ
	さぁ 行きましょ! お兄さまたち!」
	行こうとするLたち。だが、ソラはその場から動かない。
デッサイト「あれ、どうしたの、ソラ?」
ソラ  「ぼくは、冥界には 行けないんだよ
	ごめんね、チカラに なれなくて……」
デッサイト「そうか……
	でも、3人だけだと 不安だなぁ」
ソキラナ「なら、いいヤツを 知ってるわ!
	何でも屋っていって、性格はイマイチだけど、
	金さえ払えば どんなことでもしてくれるひとなの
	これが なかなか どうして強いのよ!
	たしか、お母さまの部屋に いたかな?」
デッサイト「それって……」
    「気の強い デッサイトのいもうと ソキラナが 仲間に加わった!」

	〜第三章 打倒! 悪神ジバ!〜
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