目覚めたとき ――
大地は夜に抱かれていた。 かれを取り囲んだ木々は音もなく、時が経つのを待つばかり。 かれに残されたのは、“ジョン”というおのれの名前のみ。 かれは空に向かって立ち上がり、暗い世界に足を踏み出す。 さながら、明けることをしない闇に、 ひとつの光が差し込んだようだった。 |
辿り着いた街に ジョンを待つ人々がいた。 かれらは、顔に絶望を灯らせたまま凍っていた。 目覚めぬかれらは、記した文字に言葉を託す。 “われわれは のがれられないのか?” “われわれは ゆるされないのか?” 静かな叫びが、夜に放たれた。 |
封じられた扉の先 冷たい闇がこだまを返す。 巨大な館に人気はなく、 立ちはだかる鏡の中、映し出される悪夢の姿。 投げかけた問いも跳ね返され、 魔性の笑いが耳を覆う。 はじかれたように、ジョンは館を飛び出した。 |
ローラン、それが彼女の名。 クルドラ、それが英雄の名。 二人が差しのべたのは、希望の光か、魅惑の闇か。 漆黒の夜の月と同じ、ジョンを照らし、傍観する。 ジョンは二人の前に誓う。 街の人々を救うこと、ローランを助けること、 つまりは朝を呼び戻すことを。 |
※キャプチャ画面内使用素材>>RTP2000、FSM、Teddy Plaza |